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狂犬病予防注射の重要性

分類

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掲載媒体

朝日新聞

掲載日

平成14年3月24日

 昨今、日本におげる牛海綿状脳症(BSE)の発生やアメリカでの炭疽菌感染など思いがけない脅威に晒されています。いずれも人と動物に共通する感染症であり、危機管理の重要性が叫ばれています。

 このような人と動物に共通する感染症は、他にも数多く存在します。なかでも最も恐ろしい病気として挙げられるのが狂犬病です。狂犬病は犬をはじめ人間や猫、アライグマ、リスなど温血動物にうつる伝染病で感染し発症すれば、百%死亡する病気です。

 地図でも分かるように、狂犬病は世界中に蔓延しています。狂犬病のない国・地域は日本をはじめイギリス、台湾、オーストラリアなど十数か国・地域に過ぎません。近年韓国では狂犬病による死亡者がでており、45年間発生をみなかった日本といえども韓国や中国、ロシアなど各諸国から狂犬病が入ってくる恐れは十分にあります。

 狂犬病の侵入を防ぐには厳しい防疫態勢が不可欠ですが、必ずしも完壁なものではありません。狂犬病の予防注射の徹底が極めて重要となります。この流行を防ぐには犬の免疫保有率を70〜80%に維持することが必要とされています。現在の狂犬病予防注射の接種率は40〜50%と言われており、こうした状況下で国外から狂犬病動物の侵入を受ければ流行する可能性も考えられます。

 今後とも狂犬病非保有国であり続げるためには、飼主の狂犬病予防注射に対する認識と責任感は不可欠であり、これは国民全体の幸せにも繁がるものと我々獣医師は考えます。

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会長 中川秀樹